Term 4 (Specialization) の振り返り

1 件のコメント
HEC MBAの最終TermであるSpecializationについて投稿させていただきたいと思います!


Specializationの概要


Specializationは、9月入学者のTerm 4、1月入学者のTerm 3に相当します。
実際に経験してみての所感ですが、プログラムの全体を通じ、このSpecializationはHEC MBAの目玉の一つと感じました。
欧州MBAの多くはプログラム期間が1年間ですが、1年間では、コア科目がプログラムの大部分となり、専門分野の掘り下げが十分に出来ない様に思われます。この状況と異なり、HECはプログラム期間が16ヶ月間とより長いため、まるまる1タームを使い、自身が選んだ専門分野について包括的に学ぶことが出来きます。

年によりSpecializationコースの顔ぶれが異なりますが、私達のIntakeの場合、下記の選択肢から1つを選ぶことができました。
 ・ Marketing
 ・ Entrepreneurship & Innovation
 ・ Strategy
 ・ Finance
 ・ Advanced Management

クラスメートの声を聞くと、どのコースも質が高いと言えると思います。

全コース共通の設計としては、『バックボーン・クラス』と呼ばれる、前提知識無しまたはCoreクラス履修を前提に、基礎から網羅的に専門分野を学ぶクラスが設けられており(授業回数は12回で他クラスの2倍)、その上に、より細分化された分野・テーマに関する6クラスが積み上がる形となります。


Marketing Specialization

私は、6つの選択コースの中からMarketingを選択しました。
同期の日本人の中でも最多の4名が同コースを受講し、慶應ビジネススクールからの交換留学生1名を加え、日本人5名が受講したことになります。

今年のMarketingコースは、受講した日本人学生の全員が「素晴らしい!面白かった!」という意見で一致する質の高いものでした。(去年の日本人留学生の声も同様の高い評価だった様です。)
何が素晴らしかったかという点ですが、先ず、下記に挙げる様に、クラス内容が網羅的でした。
 ・ Advanced Marketing (バックボーン)
 ・ Luxury Strategy and Marketing
 ・ Strategic Brand Management
 ・ Strategic Pricing Management
 ・ Customer Intelligence
 ・ Marketing Analytics and Business Data
 ・ Marketing through Social Media

私も以前に新規事業の立ち上げで外部コンサルにMarketing支援をお願いした経験がありますが、今後に同様な状況になった場合、外部コンサルとの実践的な議論、または密な連携が出来るレベルになったのではと感じます。また、慶應からの交換留学生はMarketingの専門家の方でしたが、彼も学ぶものが多いと仰っていたので、既に高い専門性を持った方でも学びが多いコース内容なのだと思います。

更に、本コースは、Termの全期間に亘って課題のボリュームが多く、まさにインテンシブに短期集中で専門性を習得するコースだったと思います。
リーディングやケースの量も然ることながら、多くの課題やプレゼンテーションにグループで取り組む形となり、グループでの議論や調整に相当の時間を費やすことになりました。バックグラウンドが異るチームメートとのやり取りを通し、新しい情報や視点を得る場面が多く、非常に勉強になりました。
(最後のTermはもう少し余裕をもって生活を楽しむつもりでいましたが、そんな余裕もなく、慌ただしく毎日が過ぎて行きました。。。)

=====

以下には、特に印象に残った4クラスについて、具体的な様子を記載させていただきます。

 ・ Advanced Marketing(バックボーン)
本クラスはMarketing Specializationのバックボーン・クラスです。
担当はFrederic Dalsace教授で、先日の投稿でも記載させていただいた通り、とても質の高い授業を行う教授です。
授業の内容ですが、『新たな市場提案の創出』(New Market Offering Development)にどの様に取り組むかを中心課題として、イノベーション、機会発見、R&D、外部パートナーとの連携、新規市場提案の製品化プロセス、デザイン、ポジショニング、製品ローンチ、市場浸透施策等を幅広く学んでいきます。
(コンテンツが盛り沢山でやや消化不良になってしまった部分もありますが、)多くの視点を得られ、今後の実ビジネスで活かしていけるものと考えています。

 ・ Luxury Strategy and Marketing
「ラグジュアリー」という特殊な分野で有効なMarketing戦略を学ぶクラスです。
一般的なMarketing戦略とは大きく異る(または、多くの場合は正反対の)考え方やアプローチに触れ、「目から鱗」を通り越し、自身のビジネス観ががらりと変わる瞬間も少なくありませんでした。それもそのはず、教授は元LVMHグループの代表者でルイ・ヴィトンの世界的成長を牽引したVincent Bastien教授でした。
現代におけるラグジュアリーの社会的意義について哲学や社会階層と関連付けた説明から始め、具体的なケースを交えた実ビジネスへの応用までを包括的に学びます。
生で講義を受けないと学べなかったことも多いと感じましたので、HEC MBAで学ぶことの差別化ポイントの一つと感じました。

 ・ Strategic Brand Management
Brandingの分野で世界的に有名なJean-Noël Kapferer教授の授業です。
「ブランド」は具体的には目には見えませんが、企業価値、成長性、収益性、顧客ロイヤリティ等に大きな影響を持つものです。本授業では、この目に見えない「ブランド」を、どの様に創造し、育て、活用するかについて、数々の実践的なフレームワークを用いて講義が進められました。
また、毎回のケース課題にグループで取り組みましたが、毎週何時間もかけて仲間とディスカッションしたことは良い思い出になりました。

 ・ Customer Intelligence
マーケティング調査をどの様に行うかを実務的に学ぶクラスでした。
適切なゴール設定、データ集取の方法・注意点、データ分析方法等について包括的に学んでいきます。
ハイライトのFinal Projectでは、各グループが設定したケースに対して、課題設定、フォーカス・グループ、アンケート集取、データ分析等、一連の流れでプロジェクトに取り組んで行きます。
(私のグループでは、Webアンケートによって個々人に最適な金融ポートフォリオを推奨する新興サービスについて、事業ポテンシャルやターゲット・セグメントを分析しました。)
実際に自分の手を動かしながら試行錯誤することで、生きたスキルを習得できたと思います。


以上、Specializationについて記載させていただきました。
とてもエキサイティングな最終Termになりました!



1 件のコメント :

  1. みなさま、ご卒業おめでとうございます!
    HEC在学生の生の声を読めて、いつも更新を楽しみにしていました。
    みなさま、お仕事等も始まりお忙しいところかと思いますが、留学生活の振り返りや総括といった内容が更新されることを楽しみにしています!

    返信削除